【復刻版】'97南国王冠観戦記(高知:1997/12/29-31)
◆12月29日(月)
今年も、年末は、高知へ参戦することになった。昨年初参戦して、好印象をうけた高知競馬だが、NHKの「クローズアップ現代」でも、苦戦が報じられている。橋本大二郎知事も、挽回に必死とあれば、応援しない訳には、いかない。
年末の疲れからか、風邪気味であったが、大井(東京大賞典)、川崎(全日本3歳優駿)をテレビ観戦に切り替え、どうにか回復。結局、はやる心を抑え切れず、集合の40分も前に、東京駅に到着してしまったが、そのおかげで、閉店直前の千疋屋に駆け込むことができ、シャーベットを購入する。
無事にO氏ことうし様と合流するが、本格的な風邪で、見るからに辛そうである。そういえば、昨年の高知でも薬屋に駆け込んだし、先日の北見でも、辛そうであった。大変心配であるが、小生にうつりそうなのも心配である。
今回は寝台特急「瀬戸」で出発する。小生のたっての希望であるが、風邪のうし様には、結果的には、気の毒であった。さっそくロビーカーへ行き、しばし歓談するが、元気がない。隣でリブレッターが、何やらアップしているようなので、対抗上、愛機VAIOとQV-10を並べてみるが、敵は、実際に画像を送信しているようだ。こちらは接続ケーブルまでは、用意しなかった。完敗であるので、やむなく就寝することにする。
◆12月30日(火)
風邪気味のせいか、けっこうぐっすり眠れた。不思議なことに、最近になって、寝台車でも、けっこうぐっすり眠れるようになった。これだけ眠れると、座席車の夜行列車やバスよりは、はるかに楽である。ただし、岡山到着の「おはよう放送」で、叩き起こされたのは、残念である。うし様も心配されたいびきもかかずに案外眠っていたが、風邪の方は、回復していないようだ。
西日本の夜明けは遅い。瀬戸大橋を薄暗いまま渡り終え、7時14分着の坂出で下車。高知まで横になって行けたら楽なのだが、残念ながら、特急「しまんと」に乗り換え。高知・松山直通をどうして実現しないのか、以前から疑問である。
坂出駅で、朝食にきつねうどんをいただく。本場だけあって、なかなか美味しい。そして、特急「しまんと3号」に乗り込み、新聞などを読んで、一息つくが、どうも様子がおかしい。今日の高知競馬の出馬表が載っていないのだ。坂出駅で購入した新聞なので、福山競馬や園田競馬の扱いが大きいのかもしれないが、それにしても全く載っていないのはヘンだ。しかも、明日の南国王冠の宣伝は載っている。そして、しばし熟考の結果、我々は衝撃的な結論に達した。すなわち、
「今日は高知競馬は開催されていない。」
ということである。遠征に行って、競馬が開催されていなかったなんていうのは、前代未聞である。昨年と同じ南国王冠と年末シリーズだと思って、ふたりとも安心しきっていたのだ。というか、小生としては、うし様が、29日から元旦までの遠征の可能性を打診してきたときに、
「ちなみに開催はしているんですよね?」
と軽い気持ちで確認したつもりであったが、本人は忘れているようである。まぁ、今さら言っても仕方ないことだし、小生もうっかりしていたのはたしかである。9時37分、高知駅到着。さぁ困った。ジャパレンで、レンタカーをゲット。店員に、
「道を説明しましょうか?どちらに行かれます?」
と聞かれるが、返答に窮す。高知競輪は、昨日が最終日。土佐ボートの場外発売も昨日が最終日。どうしようもない。新阪急ホテルで、昼食をいただき、郊外型のセガで、サッカーゲームで対戦するも遺憾な結果に終わり、どうにか時間をつぶして、高知競輪場へ向かう。開催は昨日までだが、立川の「競輪グランプリ」の場外発売が行われているのだ。
公営競技では、最高の売り上げ(約100億)を誇るグランプリ。有馬記念の800億は、別格としても、中央のG3以上の売り上げであり、大井の東京大賞典が、場外発売を拡大した今年でも、24億というから、その規模がわかる。我々もひょんなことから、参戦することになってしまった。1着賞金7000万を賭けた一戦に望むのは、以下の9人。(印と短評は、「競輪ダービー」)
枠車
11×児玉 広志(香川) 調整さて
22▲鈴木 誠(千葉) 突入ある
33…浜口 高彰(岐阜) 伏兵台頭
44…小橋 正義(岡山) 切味復調
45◎神山雄一郎(栃木) 初V狙う
56…東出 剛(千葉) 捌きカギ
57…山田 裕仁(岐阜) 岐阜快勝
68注後閑 信一(群馬) 勝負意欲
69○吉岡 稔真(福岡) 復活劇か
豪華な顔ぶれで、経験の浅い、小生としても、購入意欲は湧いてくるところであるが、高知競輪では、枠番しか発売できない。となると、本命の神山、後閑のラインの4-6、6-4に対して、心情的には応援したい吉岡からでも、ラインの小橋が4枠のため、4-6、6-4となってしまう。岐阜のラインは、ちょっと買いづらいので、無理にひねって、吉岡ラインの3番手、児玉の1枠から買ってみる。この時点では、立川では雨が降っていることも全く考えていなかった。
レースは、残り1周で、後閑と接触して、吉岡がまさかの落車。目標を失った、小橋、児玉は見せ場もなく、どさくさにまぎれた感じで山田が優勝、神山が2着を確保。5-4は、26倍の好配当。高知競馬を助けにきて、立川市に1万円も寄付してしまった。全く遺憾である。しかも、その一部は、うし様の元に還流してしまった。重ね重ね遺憾である。「中島高級競馬号」を買って、勉強に励む。マッサージをして寝てしまった、うし様に負ける訳にはいかない。
◆12月31日(水)
8時30分起床。高知パレスホテル新館の目覚めは、心地よい。これで、朝食バイキング・税・サ込みで7000円は、大変お得である。しかしながら、電話代が1990円とは、驚いた。モジュラージャック付だからといって、掲示板に書き込んでいたのがいけなかったようだ。ちょっとおかしい気もするが。
20分ほどで、競馬場に到着。けっこう混んでいたが、無事に指定席をゲット、さっそく検討に入る。パドックには、昨年同様、暖かな日差しが差し込んで大変気持ちがよい。南国の競馬場のムード満点である。
1R、4Rと当たり損の後の、5Rが勝負。上山から転入緒戦の6枠ハクタイセイコーが、パドックで抜けた気配。能試の内容が一息のため、思ったほど人気になっておらず、迷わず勝負。ちょうど、この5Rから連勝単式になっており、裏を抑えず、6の頭で総流し。せっかく遠征してきたのだから、一回くらいは、勝負しない訳にはいかないではないか。
レースは、直線、ハクタイセイコーが外から抜け出し、勝利!かと思われたが、内に人気薄の5番ハマナスマイが残っていて、微妙な写真判定。ゴール前のベストポジションにいながら、いつも外有利に見えてしまう。連単ならではのスリルだが、裏を抑えていないので、心臓に悪い。長く感じられた写真判定の結果は、ハナ差で、6番の勝利!連単41.9倍をゲット、片道の旅費まではいかないが、まずは大勝利である。
こうなると、余裕もでてきて、気楽な気持ちで買った馬券が次々と的中、しかしながら、風邪がさらに悪化した気配のうし様は、沈黙を続けている。高知県競馬に対する貢献度は、大きいようだが、そろそろ何とかしてほしいところ。いよいよ、メインの9R南国王冠・高知市長賞を迎えた。
(印、評は、「中島高級競馬号」)
枠馬
11△コマツダイオー 照準はこのレース
22…アシヤフィーバー この距離はやや不安ある
33◎ホリノサルバトーレ 大一番はこの馬
44▲ブルーポジション これからまだ伸びてくる若駒
55…エビスウイッチ 地力強化中
56×フトーイチヒメ 牝馬ながら能力はブルーポジションと互角
67…イソノヒット オープンでも戦える馬
68○ラッキーイチロウ このレースにあわせて調整された。力見直す
79注デルタフォース 距離は合いそうだ。展開次第では
710…トモエスター 前走A2とはいえ、内容評価
811…センターガンバ 初OPは苦戦したが、地力はある
812…フジノパリジャン スンナリの流れならチャンスも
人気は、秋の主役のホリノサルバトーレと春の主役だったラッキーイチロウの2頭の集中しているが、前走で、ホリノサルバトーレを負かしたエビスウイッチ、4歳チャンピオンのブルーポジション、安定勢力のコマツダイオーなども差がなく、難しい。昨年は、連勝日本記録がかかっていたハッコウマーチ(結果は2着)中心のムードだったが、今年は波乱ムードもある。
すでに守りに入っている小生は、1枠のコマツダイオーから軽く買ってみるが、後のないうし様は、5枠を頭に、連単総流しで逆転をかける。
2400mの長丁場、その5枠フトーイチヒメが、抜け出し、うし様勝利かと思われたところへ、差してきたのは、7枠デルタフォース。7-5の裏目となり、うし様も万事休す。意気消沈して、再び「中島」に目を通せば、馬主のところに見慣れた名前があるではないか。「岡林鉄山」といえば、昨年、3頭出しの執念で、ハッコウマーチを負かしたオーナーである。そういえば、競馬場内の食堂も、よく見ると「岡林食堂」だ!高知県競馬を支えるのは、岡林ファミリーなのか?!そして、昨年同様に、表彰式の呼び出し放送が流れるのも同じだ。やられたとしかいいようがない。
メインこそ的中できなかったものの、今年の競馬も無事に終了した。今日の勝利で、年間回収率は、84.2%まで挽回した。まずまずの健闘といえるのではないだろうか。来年は、いよいよ残る益田、門別をたずねて全競馬場踏破を達成したいものである。
最近のコメント