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【復刻版】長野五輪観戦記・ジャンプ・ノーマルヒル(K=90)(1998/2/11)

 待望のオリムピック、ジャムプの観戦。仕事をあわただしくかたずけ、待ち合わせの新宿駅ホームにたどりつく。そこに現れたのは、今回の旅を伴にする、おぎさん、ではなく、「ジャムプには興味がない」はずの、おなじみ、うしさんであった。
 指定席がとれず、心配された、夜行急行だが、増発3本を含めた4本体制で、自由席の列は、短い。わざわず見送りに来てくれたうしさんとともに、出発前の一時を、”enjoy天狗”にて、楽しく過ごすことが、できた。ビールで、体も温まり、いよいよ出発である。
 おぎさんとしばらくジャムプ談義、競馬談義を続けるうちに、八王子を通過。遺憾ながら、りくおさんの姿は、発見できなかった。白馬には、明朝6時前の到着のため、早めに就寝とするが、車内は、いつまでも減光されず、放送も続き、眠れない。
 大月、甲府、小淵沢、茅野、上諏訪・・・とほとんどの駅を覚えてしまっていて、眠れない。そうこうしているうちに、松本から大糸線に入り、白馬駅到着。

 競技開始までかなり時間があるが、とりあえずシャトルバス乗り場へ向かう。地元のボランティアの人たちの誘導に従い、肉まんを購入してから、バスに乗り込む。バス10分、徒歩10分で、無事に会場へ到着した。
 快晴、無風、気温も上がり、観戦には絶好のコンディション。実力勝負に持ち込みたい日本勢にも、悪くない条件だ。ないるさんの教えてくれた完全防備を少しおろそかにした小生も、十分対応できる暖かさである。
 そうこうしているうちに、テストジャンプ開始。ベテランの西方選手や、急成長の高橋選手もいるはずなのだが、名前は教えてくれない。そして、いよいよ試技開始。日本勢4人とも大ジャンプを連発するが、なかでも、原田選手の95.5m、船木選手の92.5mがワン・ツーで、幸先よく、開始前から盛り上がってくる。また、開始前のひととき、原田選手と思われる人影があらわれ、観客席に向け、盛り上げ役を買って出ていた。一番緊張する時間帯に、ファンサービスに努めるのだから、えらい。ちなみに、この時間になっても、我々のいるブロック指定席が、埋まってこない。早く着いた我々は、ベストポジションをキープしているが、空席が目立つのが、不思議である。最終的には、かなり埋まったのだが、シャトルバスが、渋滞で破綻して、競技に間に合わない人が出ていたとは、この時は、夢にも思わなかった。

 試技の結果で、ゲートが2つ下げられ、いよいよ1回目。62人の選手が飛ぶが、勝負は、やはり最後の15人くらいから。日本のトップバッターは、ギリギリで、代表枠に滑り込んだ葛西選手。チア・ホーン響きわたる中、87.5mの好ジャンプ(5位)。斉藤選手も、86.5m(7位)と手堅くまとめ、いよいよ原田選手。
 大歓声の中、91.5mの最長不倒でトップ。ラストの船木選手も完全ではないものの、飛型でカバーし、4位につけ、2回目にメダル量産の期待をつないだ。
 一つゲートを上げた2回目も、記録はそれほど伸びず、僅差の中に、上位がひしめく展開。斉藤が83mと伸びず、後退。葛西も伸ばせず、ペテルカが大ジャンプで上位に。しかし、船木が、90.5mとこの回の最長不倒で、トップに立ち、日本勢のメダルを確定。ビドヘルツェルも抑えたが、フィンランドのソイニネンが2本目も大ジャンで、僅差ながらトップに。
 そして、原田。88mくらい飛べば、トップということで、試技からの勢いでは、まずまちがいなく勝てると思った。大歓声の中、飛び出すが、数秒後には、会場が大きなため息に包まれてしまった。リレハンメルの団体ほどの失敗ではないのだが、スタ-ト前に少し待った影響か、プレッシャーか、いつもの豪快な飛び出しが影を潜めてしまった。
 期待が大きすぎただけに、悔しさもあるが、船木選手の銀メダルは、もちろん立派。得意のラージヒルも残っており、まだまだ期待したい。ただ、メダルが期待されるジャンプの立場としては、斉藤、葛西両選手よりも、一発の魅力のある岡部選手をラージヒルには、起用してほしい気もする。そして、もちろん、斉藤選手の安定感は、団体戦では貴重なものであることは、間違えない。

 なお、4万人の人が入った会場からの脱出は、困難を極め、近道をしようと、階段ではなく、崖の斜面を滑り降りた我々一行だが、危険極まりない。結局、最後は、階段に戻ったが、登山スタイルでもなんでもない一般の人が、雪の斜面を将棋倒し一歩手前で、滑り降りるのは、いつ大惨事が起きてもおかしくなく、大変気になった。30分くらいで、会場から脱出すると、今度は、シャトルバスが、混乱を極めており、地元テレビ局の人が、
「競技は見られましたか?」
 などとインタビューしている光景に出くわした。何を聞いているのかと思ったが、どうやら間に合わなかった人がいるらしい、ということがわかってきた。シャトルバスや、オフィシャルバス(コカコーラ・バスだとか、マックシェイク号なんていうのも)が混乱しており、結局、我々は、30分ほど歩いて白馬駅へ戻り、「スーパーあずさ10号」のキャンセル分をゲット。大きな混乱もなく帰京できたのは、ラッキーだった。
 初のジャンプ観戦だったが、迫力、臨場感はもちろんのこと、飛距離や飛型も、テレビ観戦よりもよくわかり、好天にも恵まれ、大変堪能できた。原田選手は、やらかしてしまったが、船木選手銀メダル。まずは、おめでとう!

19980211

◆ジャンプ・ノーマルヒル(K=90)
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1位:ソイニネン(フィンランド)
2位:船木(日本)
3位:ビドヘルツェル(オーストリア)
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5位:原田(日本)
7位:葛西(日本)
9位:斉藤(日本)
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