【復刻版】'99サンライズ出雲で行く益田競馬・別府温泉の旅(1999/3/20-22)
◆3月20日(土)
地方競馬めぐりの旅。門別のオープンでマジック2となってしまったが、いよいよ益田に参戦することになった。
我々が地方競馬めぐりをはじめたきっかけは、山口瞳著「地方競馬流浪記」とテレビ東京の矢野アナに感化されたことに始まる。そして、今回、出発前日の東スポに、矢野アナの衝撃的な一文が掲載されてしまった。
曰く、氏は、先週、何年かぶりにふらりと益田を訪れてたという。しかも、飛行機で1時間あまりのところを、寝台特急「はやぶさ」号の個室で参戦したという。さらに参ったことには、氏は何を隠そう、鉄道ファンであり、「電車でGo!2」の発売で、今週は忙しかったというのである。
やられたというしかない。出鼻をくじかれるとはこのことである。格が違いすぎるのだ。地方競馬に、鉄道に、野球に、明らかに上手である。どうしようもない。
気をとりなおして、東京ドームのオープン戦。エンドウさんのヤジが健在。芝草もあいかわらずトホホ。魔神をみることもできた。そして、我が守護神シュは、あいかわらずの一人相撲。何もかわっていないことに安心して、大雨のドームを去る。
四谷でダイナマイトベースボールを1戦して、うし様宅。パソコンの設定をしながら、お母様からから、グレープフレーツの差し入れを受けるが、これでは、旅の気分が盛り上がってこない。旅立ちには、やはり手続きというものがある。時間があるのを承知で、早目に出発し、神田にて、ほのぼのレイク系列の「湖」で、一献。さらにダイナマイトベースボールを2戦して、東京駅に到着してみれば、いつもとちがう空気が流れてくる。コージーコーナーで、甘いものを買う。夜汽車には、旅の伴が欠かせない。
9番ホーム。連休初日でもあり、華やいだ雰囲気がいい。何といっても寝台特急「サンライズエクスプレス出雲」である。しかも、シングル。いびきを気にすることもなく、AC100V電源付である。我々にとって、これ以上はない列車である。22:00定刻に東京駅を発車。電車ならではの快適な旅立ち。
春のたび いつもと違う 東京駅
天井も高く、ベッドも快適な個室。完璧である。全車個室にもかかわらずミニロビーが設置されているのもいい。甘いものをいただき、各自個室に戻り、チャット開始。うし様も携帯モデムカードを購入して、真のモバイラーこと斉須氏の域に一歩でも近づこうと鼻息も荒い。
◆3月21日(祝)
岡山駅到着前におはよう放送。終点まで乗る我々には、ちょっと早い。とはいえ、弁当の販売は欠かせない。うし様の姿なし。どうしたのか?
雨の陰陽連絡伯備線。二度寝が快適。寝台特急に10時近くまで乗ったことはあまりないのでが、これがいい。7時とかに降りるのでは、慌ただしくていけない。
サンライズ 疲れも知らず 日本海
しかしながら、めざす益田競馬場は、あまりに遠い。終点の出雲市から、快速「石見ライナー」に乗るが、一向に到着しない。車中は、老人ばかり。東京にいると、言葉ばかりで、実感がわかないのだが、鳥取、島根を旅するたびに、高齢化という言葉が、圧倒的な響きをもっておそいかかってくる。もちろん、鳥取、島根の方々には、特別に責任はないのだけれど、地域格差とか、将来の日本の構造変革とかを気にしてしまう。
少し重い気分で益田。競馬場の寂れかたは、予想通り。コーナーからスタートの1350m戦。締め切りを急かす「草競馬」も、けだるい女性アナウンスも、典型的な後進型地方競馬。もちろん、それはそれでよい。新スタンド工事中に、やる気を感じさせられ、一安心だが、お釣に出ないのは、足利以来。これはダメ。寒さいよいよ厳しく、幸い、一レース的中したので、軽傷のまま、予定を繰り上げ、辞去。
1日1往復の特急「いそかぜ」。当初予定の「おぎ」号とともに、よくぞ適当な時間に、適当な列車を用意してくれるものである。3時間の長旅に備え、食料を買い込む。うし様は、車内販売の巡回を信じていたが、そんな甘いものではない。日本海の夕陽を見ながら、小倉まで3時間の旅。
いそかぜや 鈍足特急 西日浴び
小倉からは、最新鋭の特急「ソニック」。別府まで1時間8分というのは、一昔前の鉄道ファンの小生から見ると、実に速い。
いよいよ別府。今夜の宿は、亀の井である。サンライズ出雲とともに、今回の目玉である。ところで、駅前には、セガがある。はやる気持ちを抑え、軽く1戦。もちろん勝利。足取りも軽く、亀の井へ行けば、そこは極楽!
大浴場にて、入浴し、中華バイキングの夕食。21時以降、タイムサービスということで、なんと1200円!ジュースも飲み放題!
ビジネスホテル並みの料金+大浴場という我々のニーズを完璧に満たしたうえに、食事まで満足させてくれる。おそるべし亀の井。これでは、わざわざ街へ出る必要もないのだが、一応、浴衣で、街へ出て、軽く1戦。もちろん勝利。気分ますます良く、亀の井内24時間営業のジョイフルにて、甘いものをいただき、各自部屋にて、チャットを済ませ、就寝。新婚家庭もこのときばかりは、遠くなりにけり。
くすりゆび 忘れてみようか 別府の湯
◆3月22日(休)
亀の井の朝はもちろん入浴から始まる。朝食はもちろんバイキング。これで、1泊7300円で、2食足しても、1万円。平日ならさらに1500円安いというから、恐ろしい。
亀の井を後して、我々は山をめざす。温泉街の中心、鉄輪までバスで行き、さらにタクシーで、明ばん温泉へ。山の上の露天風呂からは、別府の街が一望となるのだが、いかんせん寒い。とても街を眺めながら、体を洗う気分にはなれず、ひたすら湯につかる。惜しむらくは、湯につかっていると、街が見えないのだ。それでも、頭寒足熱、気分は上々。湯から上がり、おみやげを購入する頃には、雪が舞って、驚いたが、それもまたよし。
小雪舞う 山の露天の 湯上がりに
駅へ戻り、昼食タイム。我々は再び亀の井に戻り、ジョイフルへ。小食の小生だが、遠征に行くと、なんだかんだと結構食べる。入浴、汽車旅、草競馬とこれらは、いずれも食欲を増進させるらしい。
帰りの電車には、まだ時間があるので、もう一度入浴の予定だったが、両者疲労困ぱいのため、打ち切りとなった。食欲が出るだけあって、入浴もなかなか疲れるのだ。
帰りのソニックは、超満員で、立ちんぼう。小倉では、小生と入れ代わりにうし様の今夜のお相手であるところの、マリーンズファンの古賀氏が乗車するはずなのだが、残念ながら確認できず、1年ぶりの再開は果たせなかった。
旅の終わりは、カモノハシスタイルで売り出し中の700系「のぞみ」。小倉から東京への新幹線は、今回が実に3度目。乗るたびに、少しずつ時間が短縮されているのは、心強い。弁当、新聞、ジュース、ビール、おつまみ、競馬ブックなどを買い込み、さらに車中で、アイスクリーム、コーヒーを補充するなど、ずいぶん高くついた感じもするが、案外退屈することなく、無事に東京駅へ到着した。
なお、小倉駅で購入した「かしわめし」が絶品。かに寿司と並ぶ評価を与えたい。2泊3日、入浴3回、移動2500キロ。最後まで充実した旅であった。
春の夜に 東へすいっと カモノハシ
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