【復刻版】’00・夏休み北海道旅行パート2(立山黒部アルペンルート〜ファイターズ戦〜トワイライトエクスプレス〜札幌競馬〜登別温泉〜ゴルフ:2000/8/23-28)
■8月23日(水)
今夏2回目の北海道遠征は、なぜか新宿駅から始まる。ラッシュが始まる少し前、7時ちょうど発の「スーパーあずさ1号」で出発だ。今どきめずらしくなった12両編成で、しかも2分後に臨時列車も出ているというのに、満席である。夏休みとはいえ平日でこれだけいっぱいになるとは心強い。車内は、いわゆる中高年のハイカーというのか山登りの人々、平日だから女性中心で、かなり本格的なスタイル。テントでも入っているのか荷物も多いが、荷物の量ならこちらも負けてはいない。しかし、札幌での競馬観戦の都合もあり、スーツ着用というのが、いかにも不釣り合いではある。
松本から、大糸線で信濃大町へ。これから、今夜の目的地である金沢まで、ものすごい数の乗り継ぎが続く。信濃大町からは、バスで扇沢へ。ここが「立山・黒部アルペンルート」の出発点だ。
扇沢からは、トロリーバス。無軌条電車とも呼ばれるが、架線から電気をもらって走るバスで、分類上は、鉄道の仲間になる。昔は、都内なども走っていたらしいが、今では、このアルペンルートの2ケ所しかないという。黒部ダム建設の生命線ともいえた扇沢-黒部間の関電トンネルで、一気に突き抜ける。トンネルは1車線で、途中で行き違いがあるあたりも鉄道に似ている。
バス停から、地上まで、150段の階段を一気に上ると、日本最大の黒部ダムが、一気に全貌を表す。高さ160m。高所恐怖症気味の小生には、怖いくらいだが、すばらしい眺望が圧倒的な迫力で迫る。ダムからの放水には、美しい虹がかかる。
すでに標高1500mを超え、涼しい風が吹いているが、まだまだ登る。ケーブルカーで黒部平へ。立山の天然水で作ったかき氷をいただく。まったくすばらしい。ロープウェイ、そしてもう一度トロリーバスを乗り継ぎ、標高2500mの室堂高原へ。立山連峰を一望。気温17度。北海道よりはるかに涼しい、別世界が広がる。
ここまで来ると、富山は近い。ただし、標高差2400m。バスとケーブルカーで一気に下る。立山駅からは、富山地鉄。新宿から9時間、いよいよ金沢が近づいてきた。富山でかに寿司を購入し、最終ランナーの「はくたか12号」で、金沢へ。JASでやってきたうし様が改札に。今日は、おなじみのプゥのTシャツではなく、小生が贈呈した「Sydney2000」のTシャツだ。
駅前から野球場行きの臨時バスに乗るが、これがとんだくわせもの。市内繁華街でお客さんを拾っていくのだが、ものすごい遠回りで、しかも渋滞に突っ込む。タクシーなら10分のところを約1時間。オバンドーソロもウィルソン2ランも見ることはできなかった。しかも内野自由席では、ビールもおつまみも売っておらず、飲まず食わずの観戦。エース岩本にすべてを託す。
岩本、高橋憲、ミラバルとふんばりオリックスに連勝、待望の貯金2。タクシーでホテルに向かう車中で、いきなりベロベロに酔っぱらったりくおさんから、うし様の携帯に電話。西武・ダイエーは依然として死闘を演じているようだ。さすがは、りくおさんである。
今夜の宿は、女社長の衝撃的なCMで有名なAPAホテル。大浴場付の格安ビジネスホテルという我々にぴったりのコンセプトで北陸を中心に勢力を拡大している。
かねがね気にはなっていたAPAホテルであるが、想像以上にすばらしい。特にエントランスのロビーが、一流ホテル並みの雰囲気で、単なるビジネスホテルとは一線を画している。翌日の福井で読んだ、APAの戦略を取材した本によれば、やはりこの金沢は、APAの中でも、ステータスが高く、特にロビーには、力を入れたそうだが、お見事である。インターネット早割適用で、これで、朝食付、なんと7100円というのだから、恐れ入る。大浴場で入浴後、湯上がりラウンジで浴衣姿で、祝勝会。球場で飲めなかった分、ビールが旨い。歴代でも最高に旨いビールといえよう。調子に乗って、日本酒もいただき、最後は、ラーメンで締め。ファイターズもAPAホテルも最高だ。
■8月24日(木)
今日は移動日である。完璧ともいえる今回の日程の中で、唯一、空白のような時間ができてしまった。夜のファイターズ戦までどうすごすか。ショートコース参戦を検討すべく駅レンタカーへ行く。
「レンタカーありますか?」
「予約は?」
「予約はないです。」
「予約なし。クルマもなし。」
格の違いを感じさせる、駅レンタカーのおやじの一言で、ショートコース参戦は断念することになった。何やら学会があるようで、街が混雑しているようである。
仕方がないので、福井へ。チェックインには間があるので、市内を散策。かき氷をいただき、野村證券で、野村日本株戦略ファンドの宣伝ビデオを見て、金田一さんと記念撮影。我ながらばかばかしいと思うが、これも一興である。少し早いが、14時すぎにチェックインをたのむ。もちろん今日もAPAホテルだ。福井片町は、金沢ほどゴージャスではないが、温泉付である。早速入浴し、部屋に並べられた、各種APA関係資料を熟読。バブル期に土地を売りまくって、利益が出過ぎ、ジャムボを購入して、リースしたという、オーナー(ホテルCMの女社長の夫)は、やはりただものではないようだ。
入浴後、福井球場へ。「は指定席」を購入する。いろは順とは驚きであるが、隣のおっさんが、BigEggキャップを持って、ファイターズを応援しているのも気になる。向こうも話しかけたそうな雰囲気であり、知らず知らずに、語り合ったのだが、福井在住のハム屋さんで、北陸シーリズ3連闘という。
だいたい、このテのおっさんとの会話はかみ合わず、途中からめんどうくさくなって、適当に相づちというパターンが多いのだが、この方は、卓越した野球理論を披露して、我々とも話しが合う。年に一度は、東京ドームへ遠征して、勝つまで福井に帰らないというからさすがである。「うちに泊まんなさい。」とまで言っていただいたのだが、我々は天然温泉が待っているので、固辞させていただいたが、なかなか楽しいひとときであった。ファイターズ3連勝、今日もAPAホテル湯上がりラウンジで祝勝会!
■8月25日(金)
いよいよ今日は、今回の大旅行の中でも目玉のひとつであるトワイライトエクスプレスに乗る。昨年のカシオペアと並ぶ、日本が誇る豪華列車の旅。大阪から日本海に沿って札幌へという関東の我々には乗りにくいコースだが、ファイターズ北陸遠征と組み合わせるのが好都合。もちろん始発から乗る。まずは、雷鳥で大阪へ。大阪駅10番ホーム、独特の濃いグリーンの9両編成が風格を漂わせている。
正午、大阪駅を発車。札幌まで1500キロ、21時間の汽車旅の始まりである。いきなり新大阪で、関西空港連絡特急のはるかに道を譲る。向うは京都行きであるが、こちらは先は長い、あわてることはない。JASの制服を来たキャビンアテンダントもホームから羨望のまなざしを送っている。何回北海道へ渡っても、JASエアバスで飛んでしまっては、このゆとりは味わえない。
さっそくサロンカーでくつろぐと、「いい日旅立ち」が流れ、団体のおばさま方が、思わず口ずさむ。実にすばらしい。車内は、当然のごとく、団体客が多いわけだが、意外にもみなさんそれなりに節度をわきまえて、かつ旅をエンジョイしており、いっしょにいてもこちらも楽しくなってくる。さすがである。
京都から湖西線へ。福井からの2時間を巻き戻すように、景色が戻っていく。
「車掌でございます。」
JR西日本の車掌から車内説明を受け、個室のかぎをいただく。その後も、アイスクリーム、おみやげ品、オレンジカード、お弁当予約など、次々といろいろな係の方々がやってくるのだが、嫌みがなく、うるさくもなく、すばらしいもてなしぶりであった。特に、一見ホスト風の食堂車のお兄さんの活躍ぶりはめだった。10年を経て、車両はくたびれてきているものの、このホスピタリティは、カシオペアを大きく上回り、誠にすばらしかった。ゆとりを楽しむ列車はこうでなくてはいけない。さすがである。偶然かどうかはわからぬが、女性従業員がひとりも乗っていなかった。差別するわけではないが、やはりバイトのお姉ちゃんでは、こうはいかないと思う。
食堂車「ダイナープレヤデス」で、ビーフシチューのランチセットをいただき、いったんそれぞれの個室に戻り、昼寝。先は長い。あわてることはない。
今日2度目の福井をすぎ、さらに北陸路を東へ向かう。富山をすぎるあたりから、いよいよ車窓に日本海の夕陽を望む。親不知・子不知の海岸の向うに夕陽が沈んでいく。再三、車内放送で強調するだけあって、さすがに美しい。予想以上に、海岸に沿って走る時間が長く、個室からも、サロンカーからも存分に楽しめる。新潟では花火大会も行われているようで、今度は、夜空に花火が舞う。サロンカーでの団体のみなさんの盛り上がりも最高潮に達し、たまたま通りかかってしまった添乗員のお姉さんも巻き込んで、盛大にやっている。お姉さんの手にはなぜかカップ酒が握られている。
「明日は、バスが長いから覚悟してくださいね。」
「今日の電車も長いじゃないか。」
「ワハハハハ。」
「バスはトイレ休憩はあるのかい?」
「1、2時間くらいは我慢してください。」
「ビール飲んだらダメかもしれん。」
「ワハハハハ。」
「姉ちゃん、それ酒じゃないか?」
「お酒大好きなんですよ。」
「ワハハハハ。」
たわいのない会話が盛り上がり、我々もつられて、盛り上がってしまう。カシオペアや北斗星とはちがう豪華列車の楽しみがここにはある。やはり関西の文化なのだろうか。浴衣で寝たりするオッサンがいないのもいい。気分がよくなったところで、就寝。乗車当初は、個室内が暑く感じられたが、夜になるとそんなこともなく、”シングルツイン”の2階ベッドに上がり、ゆっくりと休ませていただく。
洞爺到着前に、おはよう放送で目が覚めるが、そのまましばらくまどろみ、7時半に起床。寝台車にしては、けっこう眠れたようだ。食堂車で洋定食をいただく。外は雨模様。21時間の列車の旅もいよいよゴールが近づいてきたが、名残惜しさを感じるほどである。定刻9時8分に、札幌駅へ到着。旅もいよいよ後半戦、ここで我々はまた解散となる。
■8月26日(土)
札幌で急遽解散となった。ジャスマックプラザにて、日帰り入浴。汽車旅の疲れを癒す。あいにく露天風呂が今日から工事中となってしまったが、大浴場は広く、風呂に関しては、アートホテルズにも負けない。一度、ホテルの方にも泊まってみる必要があるかもしれない。
札幌競馬場で、うし様と合流。札幌、中山、小倉と参戦するが、まったく当たらない。遠征気分で、ついつい厚く買ってしまい、大変なことになってきた。一発逆転を狙ったメインの北海道新聞杯が、藤沢-伊藤雄で決まってしまっては、話にならない。グゥの音も出ない。早く帰って、NHK総合で放送中の、ファイターズvsホークス戦を見ることにする。
小笠原のランニングホームラン、上田君の代打ホームランで15-0。下柳のプロ初完封を見届けて、入浴。実にすばらしい。
恒例の札幌ビール園へ。地元にもかかわらず一度も行ったことがないというないるさんを招いてオフ会開催。ビール園のすばらしさを味わってもらうはずだったが、ジンギスカンの鍋がふつうの網になって、野菜もたまねぎとピーマンだけでは、話にならない。10年来愛用し続けていたのに、これではあんまりである。やはり、ステテコ君のCMなど流しているような会社は、話にならないようである。来年は、アサヒも検討する必要がありそうだ。なお、ないるさんには、ぜひとも「ないるの冒険」の執筆を再開してもらいたいものである。
札幌駅地下街PASEO内の、よつ葉パーラーにて甘いものをいただき、オフ終了。我々も解散となる。来道としているという噂のダンナから連絡はなく、アートホテルズにてゆっくり入浴。かき氷をいただき就寝。
■8月27日(日)
旅も5日目。入浴以外にあまり何もしてないのだが、疲れがたまってきて、朝が辛くなってきた。とうとう朝風呂を断念。朝食後、本日もまた解散となり、いったん部屋に戻り、しばし休憩の後、出発。本日は噂の北海道マラソンが行われるため、中島公園周辺には、続々とランナーが集結してきている。駅レンタカーにて、ランサーをゲット。このご時世に三菱自動車とは驚く。
大倉山のジャムプ台へ。改装も終わり、ウインタースポーツミュージアムが併設された。お目当てはないるさんから聞いていたジャムプシミュレーションだったのだが、なんと1時間30分待ち。かなり本格的なようで、なんとも気になるのだが、さすがに今回は断念。長野五輪の原田のジャムプなどをビデオで鑑賞した後、競馬場へ向かう。
競馬場にダンナ登場。フグ選手の急死で、来道が危ぶまれていたのだが、師匠のすぎもと氏ともども怪しい雰囲気を漂わせながらの登場である。さすがである。それに比べて、我々は既に昨日大敗しており、もはや余力がない。無理やり参戦しては、負け続けるという悪循環。早々に退場して、登別へ向かう。どうも北海道に来てから、流れが怪しくなってきている。
10回目くらいの滝本イン。今年ももちろん何も変わっていない。夕食ヴァイキングはあいかわらずなので、早々に終了して、入浴する。斉須さんからの情報通り、風呂のネーミングが変わっていただが、基本的には同じだ。もっとも今さら変わる必要もない。入浴疲れで、いつもほど粘れず、早々に終了。これも恒例のマッサージ椅子で休憩。昨年楽しませてくれた営業のおじさんは、いなかった。今年も地獄祭り。さらには、「鬼サミット」も開催されている。まさにやりたい放題という感じだ。
入浴疲れいよいよ甚だしくいったん部屋で小休止。サンデースポーツを見る。ファイターズ今日も勝利。世間は全く相手にしてくれないが、有働アナだけが、ファイターズに注目している。すばらしい。野球コーナーが終わると、隣の部屋のうし様も同時に、部屋を出る。待ち合わせしなくてもこのへんの呼吸は、お互いにばっちりだ。再入浴。ラーメン、かき氷。イチゴミルク品切れは無念。
■8月28日(月)
最終日。大旅行のもうひとつのメインイベントであるところのゴルフ・ぐんぐん杯予選、すなわちうし様のデビュー戦である。しかしながら、天気予報通り、朝から無情の雨。
札幌北広島サンパークゴルフコース。雨足ますます強まる。小生、普段なら確実にやめるところだが、今回ばかりはそうもいかない。うし様初ラウンドに向けては、小生以外にも、各方面から多くの協力を得て、また注目度も高い。平日の北海道、2人プレー可、乗用カートというこの条件を逃しては、うし様デビューはいつのことになるかわからない。大雨の中、ついに西コースティーグラウンドに立つ。
1番ホール。くじ引きで、オナーはうし様。記念すべき第1打は、右60度の方向に飛び、池に入った。OB。打ち直し第3打は、フェアウェイ右へまずまずの当たり。ところが、ボールが見つからない。ロストボール。
衝撃的なスタートだったが、その後、うし様は、ドライヴァーで快音を連発、小生はチョロばかり。カートの運転をもっぱらうし様に任せるという惨憺たる状況。アプローチとパットで追いつくものの、後半はわずか1打差とは、あまりにも情けない。斉須さん、ぐんぐんさん、うしさんと数多くのゴルファーを育ててきたが、もはや引退するしかないようである。全身びしょ濡れになって、待望の入浴。遠征中、数多くの入浴があったがが、この入浴が1番だ。
19番ホールは、新千歳空港にて開催。JAS118便レインボーセブンで、長い旅も終わりとなる。羽田空港へ、静かに着陸を決め、ターミナルに、横づけされたところで、ファイターズ逆転勝利の報せ!終わりよければすべてよし。実に充実した遠征でありました。
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