◆横浜→松山:はれ
7時起床。YCATからバスで出発する。GW初日。羽田空港第2ターミナルは、さすがに混雑している。松山便ももちろん満席。
毎週のように遠征しているが、GWともなると、どこも混雑するし、料金も高い。みなとみらいでゆっくりするのも一興なのだが、石毛氏でおなじみの四国アイランドリーグ開幕戦とあっては、参戦せざるを得ない。プライベートで正規料金の飛行機に乗るのは、かなり久しぶりである。超割に慣れているので、松山まで27000円というのは、とてつもなく高く感じる。
小生が言うのもなんであるが、石毛氏といえば、たしかバツ2であり、オリックスさんの監督として終了したあの石毛氏である。現役時代はともかく、引退後は、いかにもうさんくさい印象がある。今回の独立リーグ構想も、どうせ途中で頓挫するのではないかと思っていた。選手やスタッフも、石毛氏では、ついていくのにあまりにもリスキーで、途中で梯子をはずされそうで怖かったのではないかと思う。まだ、欽ちゃんの方が最後まで面倒をみてくれそうである。
しかしながら、今日、無事に開幕戦を迎えることになった。地方競馬が次々と廃止になり、スカイネットアジア航空がANAの支援を仰ぎ、ホリエモンがフジと和解してしまった今、多少のうさんくささに目をつぶってでも、石毛氏にかけてみるしかないではないか、ということで、この半年で3回目の松山入りとなった。
「草茂み ベースボールの 道白し」
古田が2000本安打を達成したばかりの坊ちゃんスタジアム。正岡子規の句碑が迎えてくれる。初夏というより真夏に近い暑さだが、すばらしい天気に恵まれた。思い思いのキャップやユニフォームの老若男女が、続々と集まってくる。スタジアム内では、グッズも販売しており、各球団の帽子やTシャツがけっこう売れている。
12時30分から開幕セレモニー。4チームの選手と監督が入場。愛媛マンダリンパイレーツの監督は、元広島の西田。対する高知ファイティングドッグスは、巨人→阪急→ロッテの藤城。ちなみに香川オリーブガイナーズがヤクルト→広島の芦沢、徳島インディゴソックスは、西武→中日→ロッテの小野である。その他、コーチ陣には、高山、加藤、坊西、定詰ら懐かしい名前がある。
石毛氏あいさつ。マイクが故障して、うろたえていると、場内からイシゲコールが湧き上がる。なかなか愛されているようである。無事にマイクが直り、この若者たちが私の、そして日本の財産です、というようななかなか感動的なあいさつがあり、松山市長の始球式でいよいよ試合開始である。
愛媛マンダリンパイレーツ、先発は、地元出身のエース西山。城西大学時代、明治神宮大会準優勝。アイランドリーグを代表する逸材で、選手名鑑にも、「早くこのリーグから卒業して欲しい」と記されている。ストレートは、常時142-3キロはでている。先頭打者を三振にとり、これは楽勝かと思っていると、三遊間へヒット3本。あっという間に2点を先制されてしまった。
高知ファイティングドッグス、先発は、軟式出身の相原。しかし、3回に同点にされると、藤城監督、早めの継投で、左の横手投げ、岸にスイッチ。
前半戦は、緊張もあったのか、エラーが続出。その他にも、イレギュラバウンドの内野安打や、強襲ヒットも多く、草野球風であったが、徐々に試合がしまってきた。
勝負どころは、6回。西山を攻略して、3点をとった高知に対して、その裏、愛媛も代わったばかりの辻をとらえて、ノーアウト満塁のチャンス。ここで、藤城監督、まだ交代投手の準備ができていないのだろうが、あまりにも見苦しいワンテンポ遅らせてのマウンドへの登場。これでは、NPBと同じである。しかし、代わった高梨がこのピンチを無失点で切り抜けたのだから、采配としては、ずばり的中した。
9回にも3点を追加した高知が、8-2で勝利。8回から登板した高知の抑えの赤井は、直球は138キロくらいながら、変化球が切れていた。所沢中央高校→専修大学、東京好球クラブというキャリア。
今日の入場者は、7067人と発表。内野の1塁側はほぼ埋まっており、よく入っている。即席応援団がいくつか結成されて、六甲おろしの替え歌を作ったり、タイコを叩いたりして、応援をリード。みんなそれなりにエンジョイしているようである。なんといっても、青空の下、天然芝の野球観戦である。東京ドームのデーゲームとは、気分が全然違う。ただ、試合時間が3時間を超えたのは、ちょっといただけない。これでは、NPBと同じである。選手は、交代のときなど、全力疾走しているし、藤城監督が見苦しい以外は、どこで時間をくったのかよくわからないのだが、せめて2時間半にしてもらいたいものだ。
終了後、道後温泉へ。オールドイングランド山の手ホテルがブックフルのため、老舗の大和屋本店へ。ここは、シングルがある。部屋へ案内してくれる仲居さんが、
「野球って、何かと思ったら、あの石毛のやつですか・・・」
と聞く。一応は認知されているようであるが、全面的に応援されている感じでもない微妙な聞き方であった。
さっそく入浴して汗を流して、ロビーでひと休みしていると、
「遅くなりました!」
と大きな声。なんと石毛氏の登場である。さすがである。
地方分権と口で言うのはたやすいが、実行するのは、大変である。特に日本は、交通や通信も発達して、東京の情報が全国隅々まで行き届きすぎて、均一化されてしまっている。地方競馬なんかも、昔は、中央競馬と別の次元で地元ファンを持っていたのだが、中央一極集中の流れの中で衰退してしまった。
しかし、何もみんながNPBの野球をテレビで見る必要はない。もっと地元密着のエンターテイメントがあっていい。石毛氏の奮闘におおいに期待したい。
四国アイランドリーグ
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