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11/7:スポーツと思い入れについて

◆横浜・東京:はれ時々くもり

 本日の日記は、お休みのつもりだったが、帰りの車中で、週刊ベースボールの豊田氏のコラムを読んでいて、思うところがあったので、意見はうまくまとまらないかもしれないが、気になったことを書いてみることにした。
 豊田氏の辛口のコラムは、日経などでも読んでいて、以前から一目置いているし、日本で数少ない本当の野球評論家だと思っている。その氏の、ここ数回のコラムを読むと、その論調は、「もっと野球の本当の楽しみを知って欲しい」、「そのためには、鳴り物とかをやめて、真剣勝負をじっくり堪能すべきだ」、「そういうことをわからずに、球場に騒ぎに来ているファンが増えたのは残念だ」ということが訴えられている。
 こういう意見は、小生の周囲にもあって、本当に野球を愛しているといえばいえるのだけれど、ちょっと気になるのは、その背後には、野球に対する思い入れが強いあまり、他のスポーツよりは、野球の方が絶対におもしろいはずだという思いあがりがあるように思うこと。鳴り物もやめ、SHINJOのようなパフォーマンスも否定し、それを目当てに来る女性ファンも否定して、あるいは、地元だからというだけでとりあえず熱狂するファンも否定して、ただただプレーが続けられたとき、野球というスポーツは、それほどおもしろいものだろうか?そこには優劣は基本的にはないと思っている。ハンドボールやホッケーに比べて、なぜ日本で野球ファンが多く、プロとして成り立っているのかといえば、日本の野球には、歴史があり、過去にも現在にもいろいろな意味でのスターがいて、それをマスコミがおもしろおかしく取り上げるからこそ、多くのファンが楽しめているのではないかと思う。
 以前、「野球チームなんてどっか決めて応援すればどこを応援しても楽しさは同じ」ということを言ったことがあるけれど、早い話が、小生の場合、どっか小国に転勤か何かで、移住することになって、その国には、プロスポーツがカパティしかなかったら、それはそれで、ルールを覚え、ひいきのチームを作り、テレビ中継を見たりして、案外楽しめると思う。競馬がなくて、鳩レースしかなかったら、鳩の血統をじっくり研究することになる。宇宙人にさらわれた先に、何か奇怪なルールのスポーツがあって、宇宙人たちが夢中になっていれば、それはそれでよい。要は、ルールがあって、その上で、一定の規模のプレーヤーが真剣勝負をしていて、観戦が容易で、欲を言えば、身体能力だけでなく、かけひきのような要素があったり、様々な角度からの記録などがついてまわるものであればなおよい。だから、みんなでトラムプとかゲームをやるときでも、その瞬間だけは、真剣にやらないとおもしろくないと思っている。
 あんたの野球に対する思い入れはその程度か?と聞かれたら、まぁそうです、と答えるほかはない。自分がプレーをしていないからといえばそれはある。そこが、豊田氏との違いかもしれない。しかし、今の日本の野球ファンの大半は、中学以上で本格的に野球をやったことはないと思うから、潜在的には、いつ他のスポーツに夢中になってもおかしくないのだと思う。豊田氏の言うことを突き詰めていけば、1000人くらいのファンの前で、求道者のような選手たちだけが黙々とプレーをすることになる。年俸は、1/100くらいになるかもしれない。そのときに、「これが本当の野球だからいいのだ」と言い切れるのだろうか?なんだかんだいっても、まだまだメジャーだから言っていられるのであって、本格的に地盤沈下してしまったら、「あの頃はよかった」ということになるのではないか?

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