2012/5/1:バス会社を叩くより、夜行列車の復活を〜寝台急行「APA」の提案〜
◆横浜・東京:はれ一時あめ
時事ネタはめんどうなのでやめているのだけれど、連休の谷間ということでひとつ。
バスの事故。どうせ、またマスコミは、(ついこの前までもちあげていたくせに)ツアーバスを叩き、それを利用して規制が強化されるのだろう。実は、このツアーバスについては、つい最近規制強化が提案されたばかり。同じ夜行バスでも時刻表に載っているのは、既存のバス会社のいわゆる路線バスで、最近ぐんぐん伸びているツアーバスは、形式的には観光バスのスタイルをとっているけれど、実質的には、主要都市間を決まったダイヤで毎日走っているという不思議な存在。平たくいえば、駅前のバスターミナルに既得権があって、だから、たいていのバスは、両端の都市の地元のバス会社が運行している。(たとえば、新宿ー博多だったら、京王と西鉄の共同運行とか)その既得権を突破するために、抜け道をうまく突いたのがツアーバスなのだけれど、最近、国土交通省が、駅前バスターミナルの権利を多少調整するから、路線バスのルールを守れみたいなことを言い出した。ビールの税率下げるから発泡酒禁止みたいな話だ。
たしかにバスの過当競争には危険はあるけれど、そもそも高速バスっていうのは、多少規制を厳しくしたところで、ある程度の危険は避けられない。バスよりも明らかに安全な乗り物、それは鉄道だ。
クルマ社会のアメリカは別として、ヨーロッパ先進各国は、日本と同様に鉄道が発達していて、新幹線の成功を真似て、最近では、新しい高速列車が頻繁に走っている。首都圏の通勤を鉄道が支えているのも同じ。しかしながら、夜行列車となると、日本だけが圧倒的に少ない。たいていの国は、首都から地方都市へは、飛行機の最終便が終わった頃に数本の夜行列車が走っている。
ここ十数年で激減した夜行列車。飛行機や新幹線の発達で需要がなくなったからと言われるけれど、ある時期まではともかく最後の10年くらいは、需要のある列車も、JRの勝手な理由でどんどん切られた。要するに、
・新しい車両を作りたくない
・朝のラッシュ時に東京駅や上野駅へ入ってきてほしくない
・長い距離を走り、複数の会社をまたぐ列車は、ダイヤが乱れたときなどめんどう
・夜行列車をなくせば、その路線の夜間の管理費用を節約できる
などなどの理由であって、需要の減少とは違う。その証拠にバス路線はどんどん拡大している。安いバスとの競争に負けたことになっているけれど、昼間の列車は高速バスに対抗して様々な割引を打ち、新型車両を投入するのに、夜行列車は、生き残ると困るので、そういうことはしないで自然消滅を待ち続けたわけだ。それでも、東京ー大阪の「銀河」とか、今回事故が起きた北陸路線の上野ー金沢の「北陸」なんかはけっこう乗っていたのだけれど、最後は無理やり廃止。
本当は、安全とか環境とかバリアフリーとかコンパクトシティとか、さまざまな外部不経済のトータルコストを考えれば、貨物輸送も含めて、鉄道や路面電車や船へのシフトを国策として考えるべきで(深夜の東名高速のトラックの危険なこと!)温暖化対策で多少盛り上がったのだけれど、その後またしぼんでしまった。JRにも公共交通機関としての最低限の使命として、夜行列車くらい残せよと言いたいところであるが、ほぼ完全民営化した会社にそんなことを言っても始まらない。しかし、東京対地方都市の夜行列車の需要は絶対にあるはずで、それには第3者の参入の道を開くべきだ。ヨーロッパでも寝台車専用の会社があるし、日本でもJR貨物のように、線路を持たず(一部は持っている)に線路を借りて走らせているところはある。それでもJRは意地悪をするなら(東京駅のホームを使わせないとか)その部分だけでも、国が調整すればいい。
たとえば、東京ー金沢。飛行機の最終便も上越新幹線+はくたか乗り継ぎも20時すぎで終わり。22時くらいまで仕事したり飲んだりしたら、もう朝9時の会議に間に合わない(飛行機の始発でも無理)のは、明らかに不便。学生は夜行バスでもいいけれど、ビジネスマンは、もう少し高くても横にはなりたい。
で、誰が参入するんだよって、いう話なんだけど、たとえばですね。北陸だったら、APAがあるじゃないですか!
寝台急行「APA北陸」。乗車券+APAの宿泊代(4−5000円)程度で、バスよりは高いけれど、飛行機よりはずっと安い。座席車もあっていいけれど、メインはもちろん1人用の個室寝台で、狭い個室を機能的に設計するのはAPAのもっとも得意とするところ。JRとちがって、シーツとか浴衣はホテルチェーンと共通にできるから大幅にコストダウンできるし、もちろんAC電源、LAN完備もおてのもの。枕元には、社長の本も忘れずに!到着地の富山や金沢では、地元のAPAホテルの大浴場や朝食会場が使えるようにすればさらにいい!
それでも厳密には、単独では採算は厳しいかもしれない。しかしながら、車両も自由に設計できるから、もちろん壁には、社長のアップを描けばいい。地元の北陸線、夜の街を女社長のアップが描かれた車両が何両も連なって走る。不気味だ!宣伝効果も相当なものになるに違いない。我ながら考えれば考えるほどいい案だ。本業は不動産で、そもそもホテル事業自体が奥さんのための道楽みたいなものなのだから、ここは、夜行列車再生にぜひ立ち上がっていただきたい!
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