◆福岡→長崎→諫早→長崎→鳥栖(車中泊):くもりのち雨
当選から1年近く、いよいよ「ななつ星in九州」出発の朝。オリンピック以来体内時計が故障していて、例によっていったん2時半頃目が覚めて、二度寝しての6時半起床。ロイヤルパークホテルのシングルはバスタブがないので、熱いシャワーで目を覚まして、朝食ヴァイキングをたっぷりといただいて出発。博多駅地下のシアトルズベストコーヒーでkecoさんと合流して、集合地点のラウンジ金星を探す。阪急開店前でありちょっと場所がわかりづらかったが、無事に発見して入場すると、すでに多くの方が受付を済ませてくつろいでいる模様。手荷物を預けたり、クレジットカードの登録などをして、さっそくコーヒーとお菓子をいただき、クルーの自己紹介に続いて、取締役クルーズトレイン本部長の日高さんが登場してごあいさつ。シャンパンが配られたところで、参加者を代表して、マキさんの発声で「Seven Stars!」で乾杯。ななつ星テーマソングの作曲者でもある大迫さんのヴァイオリン生演奏で、テンションを高めると、本部長が出発の鐘を鳴らしながらお見送りする中、直接改札へ向かう通路からホームへ。
(ラウンジ金星に集合!)
(お茶をいただきながら受付)
(シャンパンのご用意が)
(乾杯の発声は、「Seven Stars!」)
ホームには、すでにななつ星が入線。見学の人も多く華やかな雰囲気。もちろんみんな撮影に余念がないのだけれど、あまりにも車体がピカピカなので、自分や反対ホームの電車が映り込んでしまうほど。1号車のラウンジやら2号車のダイニングカーもチェックしつつ、我らは、6号車の603号室へ。3〜6号車は、1両3室のスイートで、7号車は、1両2室のデラックススイートだから、全部で14室30名弱しかいない計算。お部屋には、事前宅配した荷物が届いている。洗面所は、トイレのウォシュレットはもちろん、シャワブースは檜の香り、そして、手洗いは、噂の柿右衛門さん。枕元には、おひな様が飾ってあったり、天井とか窓の障子とか細かいところまで丁寧に作り込まれている一方で、冷蔵庫やドライヤーも備えてあって、Wi-FiもOK。日本全国いろいろな列車の旅をエンジョイしてきたけれど、それらの常識を覆す、豪華な車内に圧倒されているうちに、9時59分、駅スタッフのお見送りを受けて、博多駅をゆっくりと出発。まずは、鹿児島本線を南へ。
(ホームの案内は、長崎行になってます)
(重厚な機関車)
(ピカピカの車体)
(1号車ラウンジカー「ブルームーン」)
(2号車ダイニングカー「木星」)
(廊下もゴージャス)
(すばらしいお部屋・1)
(すばらしいお部屋・2)
(ウォシュレットとシャワーも完備)
(噂の柿右衛門さん!)
30分ほどで鳥栖駅に到着して、15分停車。目の前にサッカースタジアムがあって、本日J1開幕ということで、朝からにぎわっているけれど、そんなサポーターのみなさんに手を振られながら、列車は長崎本線へ。この先も九州各地で、沿線の方々の大きな注目を集めて、手を振られたり、旗を振られたりとかなりの注目度。九州全体に愛されているように感じれられるのはうれしい限り。
室内をいろいろとチェックしたり、車窓を眺めたりしながら、佐賀を過ぎて、12時からランチタイム。ドレスコードは、スマートカジュアル。お食事は、1号車のラウンジ「ブルームーン」と2号車のダイニングカー「木星」のどちらか指定された車両でいただく。今日のお昼は、1号車のラウンジの方。少し早めに行くと、お席は先着順だったようで、なんと最前列の展望席。大きな窓から過ぎ去る線路を眺めつつの豪華なランチタイムは、スパーリングワインをいただきながら、ゆったりと。
(壁にも柿右衛門さん!)
(ランチは展望車最前列の特等席で!)
☆お昼の会席
〜九州の色豊かに〜
前菜
めひかりの南蛮漬け
野々庵豆富
佐賀牛ローストビーフ
唐墨大根
丸十栂尾煮
馬肉燻製
椎茸と春菊のおひたし
造り
ふく薄造り
椀替わり
『うちのたまご』を使用した茶碗蒸し
焼物
旬の魚の味噌柚庵焼き 日田の杉を使って
酢の物
博多名物のおきゅうととワイン漬け明太子
ご飯
わっぱ飯 海の幸を使用して
香物
盛り合わせ
止椀
あおさの味噌汁
甘味
季節のお楽しみデザート
(昼からふぐのお造りを堪能♪)
(おきゅうと)
(わっぱ飯)
(いちご大福)
九州7県をそれぞれ代表するきれいな盛りつけの前菜にいきなり熊本代表で馬肉が登場したり、kecoさんのあまり得意でない酢の物やイカ飯っぽいわっぱ飯が出たりとか、展望席の眺めがよすぎて、キョロキョロしていたkecoさんが酔いそうになったりとか、まぁいろいろあって、正直全部は食べきれないのだけれど、出発早々からふぐのお造りとはなんとも豪勢である。デザートの苺大福をいただく頃には、長崎県へ。先を急ぐ旅ではないので、白いかもめに何度も道を譲りながらのんびりと進み、追い越されや行き違い交換のために停車する駅では、地元の民謡みたいのをやってくれたりもする。
そんな感じで我らはまったりのんびりとランチをいただくのだけれど、お隣の女性2人組は、ずいぶん元気で、日本酒をいただきながら、盛り上がっている。どうやらうちの母を同じくらいの年齢で、ひとりは東京、ひとりは北九州在住で合流しての参加のようで、全国各地にとどまらず海外旅行も盛大にやっているようである。右も左も蹴っ飛ばせみたいな元気な老婦人2人組で、kecoさん曰く、モロッコまで旅をしていたようだとのことなので、以下、モロッコ婦人と呼ぶことにする。そのひとつ手前は、乾杯の発声をしたマキさん夫妻。特に自己紹介などないので、全14組の全貌はまだよくわからないが、事前に聞いていた第二期全体の平均年齢59歳よりは、今回相当高いことは間違いない。80前後のおじいちゃんの引率と思われる30代の孫娘が最年少で、おそらく小生が2番目。やはり80前後のおばあちゃんを連れた娘2人とkecoさんが3番目を争う構図ではないかと思われる。その他は、ほとんど70代のご夫婦か同性の2人連れ。ひとりで参加されている女性もいるけれど、この方も60代後半くらいかと思われる。
(白いかもめに道を譲りながらのんびりと)
(退避駅では、民謡の披露も)
14時15分長崎到着。ここでは、いったん全員下車する。ホームがやけに騒がしいなと思ったら、さだまさしの長崎小夜曲が大音量で流れている。ななつ星到着に合わせて流してくれたようなのだけれど、音が大きすぎてかえってよく聞こえない。行き止まりのホームの隣には、国鉄色のキハ65か何かがいて、気になるのだけれど、とりあえずいったんみんなで改札を出ると、いきなり改札前広場がロープで囲われていて、椅子が並んでいる。郷土芸能の龍踊り(じゃおどり)を鑑賞するということなのけれど、広場は土曜日の午後ということでにぎわっていて、なんだか、我々一行の方が見せ物のようでもある。地元のガイドさんがはりきって説明してくれるのだけれど、今度は、龍踊りの太鼓や鐘の音にかき消されてよく聞こえない。それでも、「もってこーい、もってこい」という、カープの応援か何かのようなかけ声だけは覚えた。
(龍踊り見物)
ここでバスで長崎観光に行くグループと車内組に分かれる。実は、長崎はあまりちゃんと観光したことはないのだけれど、まぁ、またの機会もあると思うので、我らは列車滞在プラン。無事に国鉄色キハの写真を撮影してから、駅前でおみやげを購入して車内へ戻る。バスツアーが戻ってくるのは夕方だけれど、列車は、いったん長崎を離れて、諫早まで往復するのだ。
(貴重な国鉄色キハとのツーショット)
長崎駅は、行き止まりホームだから、機関車はどうなるのかしら?と思っていると、いつのまにか、ホーム側先頭は、普通のDE10に変わっている。そして、今から、反対側のラウンジカー側にななつ星用の機関車を連結するのだということで、先頭1号車へ。すでに先客がいて、男性2人組とモロッコ婦人とお連れの方、もうひとり、この後もよくごいっしょすることになるかなり高齢のご夫妻(諸般の事情により以下、吉野ヶ里婦人とさせていただく)らが陣取っている。連結好きのkecoさんも加わって、しばし機関車の接近を待つ。はやぶさ・こまちなどの併結シーンも楽しいけれど、展望車で自分に向かって機関車が接近する迫力というのは、なかなか体験できない。目の前にお客さんがいるので、運転手さんも相当神経を使うとのことだが、無事に軽いショックだけで連結完了。列車は来た道を諫早までいったん戻る。
(最後尾にはDE10が)
(機関車付け替えに興奮する方々)
列車滞在プランは、ご案内冊子には、「列車内にてティータイムをお楽しみください」とあるのだけれど、昼食などとちがって、特に何時にどこへいらっしゃいということもないので、お部屋でだらだらとすごす。雨が降り出した車窓を眺めつつ、東洋経済の「ひとりで生きる」特集について検討。豪華クルーズトレインでの車内の話題としていかがなものか?という気もするけれど、ある意味一番ふさわしいような気もしないでもない。
ずっとお部屋にひきこもっていたら、クルーの方があらわれて、ラウンジへいかがですか?と言う。やはり、部屋で高齢社会問題など検討しているのは我々くらいだったのかもしれない。すでにお茶の時間というには遅いけれど、せっかくなので、再び1号車ブルームーンへ行き、紅茶をいただき、ヴァイオリンとピアノの生演奏を聞く。このあたりで、だいぶスタッフの方の顔もわかってきた。車掌のマツモトさん?の他に、いわゆるクルースタッフが、リーダー?の有藤さん、もうひとりリーダーっぽい人と、神奈川出身野球好きのカズちゃんと人吉出身の若い人(以下人吉さん)、ここまでが男性。あと、女性が3名で、ひとりは自衛隊出身とか。車掌さんも時間帯によっては、アテンドもするし、スタッフも運転業務をサポートしているようにもみえるので、明確な区分はないのかもしれない。この他に、ヴァイオリンの大迫さんとピアノの女性ともうひとりよくわからない人がいる。よくわからない人は、カメラマンのようにも見えるのだけれど、写真は、もっぱらヴァイオリンの大迫さんが撮っているし、ピアノの女性も気がつくと、案内を配っていたりするから不思議である。この他に、シェフが何名かともちろん運転士さん(頻繁に交代)が多数いるから、30名弱の乗客とおなじくらいのスタッフが同行していることになる。
(ヴァイオリン生演奏)
諫早からの折り返しは新線経由で、二度目の長崎駅に到着。ここでバスツアーのみなさんと合流。列車は、17時58分発。ホームで体操などしながら、人吉さんと雑談していると、車掌さんが現れて、出発の合図の鐘を鳴らさせてくれるという。出発1分前くらいに、車掌さんの合図で、kecoさんが7回鐘を鳴らして、急いで乗り込んで出発。
18時30分から。いよいよディナータイム。問題のセミフォーマルといっても、まぁスーツにネクタイなんだけれど、ポケットチーフとかななつ星グッズのバッジなどもつけてみて、靴もおニューで。もちろんこちらもドレスアップしたkecoさんといっしょに1号車へ。今回もモロッコ婦人やらマキさん夫妻やら、吉野ヶ里夫妻やらおなじみの面々。全部で30名近くいるはずなのだけれど、けっこう片寄っていて、まだあまりお目にかからない方も多い。
ワインとジンジャエールで乾杯して、三度目の諫早から、列車は、大村線へ。
☆Le Menu
長崎夕食メニュー
Langouste et crevette a la jardiniere de la poutargue etcaviar
野母崎産伊勢海老と橘湾産車海老の菜園家風
生カラスミとキャビア添え
Oreille de mer et amadai poelee sauce beurre noisette
五島産黒鮑のステーキと甘鯛のポワレ
プールノワゼットソース
Filet de boeuf grille avec pomme de terre et choufleur
長崎和牛”出島ばらいろ”のグリル
愛野馬鈴薯とカリフラワーと共に
Assiette de fromages francaise
フランス産チーズの盛り合わせ
Gateau au chocolat et glace de vanille avec sorbet aux framboises
チョコレートのガトーにバニラアイスと
ラズベリーのシャーベット
Cafe et mignardises
コーヒー 小菓子
Pain et beurre
パンとバター
(前菜にはキャビア)
(アワビ)
(長崎和牛)
(デザートまで堪能♪)
お昼の量から考えるととても食べきれないだろうと思っていたけれど、幸い、夜は、少し抑えめでなんとかメイン料理まで美味しくいただけた。それにしても、周囲の年輩の方々は、みなさん元気でよく飲みよく食べる。いや、意外と盛大に飲む人が少なくて、よく食べている感じ。アルコールは有料ということもあるけれど、お婦人の方がリードしていることもあって、ダンナ様はみなさん静かで、ワインを何杯もなんていう方がいないし、ビジネスクラスで時々みかけるような見苦しい酔っぱらいなどはもちろんひとりもいない。我らも上品に振る舞ったつもりだけれど、もしかしたら「あの2人は、若いのに食べないわね」とか、「まだまだ蒼いわね」と言われてるかもしれぬ。もっとも、年輩のみなさんも撮影には熱心で、写るんですあり、ガラケーあり、スマホあり、iPadあり。やはり新しい列車に興味を示す方々だけあって、デジタル機器にも積極的な方が少なくない。ネットで検索しても、乗車ブログが少なかったけれど、これならこれから少しずつ増えてきそうだ。
列車は、大村湾に沿って走るけれど、夜で外は雨で車窓はほとんど楽しめない。それでも、19時半頃にハウステンボスを通るとシンボルタワーのライトアップが見えて、その後も、いくつかの駅で、灯籠を飾ったりして楽しませてくれた。
(途中駅もライトアップで歓迎)
21時近くまでゆっくりと堪能して、お部屋に戻ると、ベッドメイキングが完了している。24系寝台などとちがって、シーツも布団もフカフカですばらしい。
1号車のラウンジは22時からバータイムで、マジシャンも乗ってくるという噂なのだけれど、いったんカジュアルに着替えてしまうとまたセミフォーマルに戻るのが面倒になったので断念。列車は早岐から佐世保線に入り、長崎本線に戻ってこちらも二度目の佐賀駅。目の前が東横インで、部屋でテレビを見ているおじさんが目に入るということは、向こうからもこちらが見えるわけで、おなじ就寝の態勢でもずいぶん違う。妙な感覚。
さすがにまだ就寝には早いので、コートを羽織って、22時37分の神崎駅で下車。吉野ヶ里遺跡のライトアップが見えるというのだけれど、けっこう遠いし、霧雨に煙っていて、ぼんやりという感じ。しかもホームで体操でもしながら外の空気を吸いつつのんびりしようと思っていたら、地元市役所のおばさんが登場して、気合い十分で、拉致されてしまい、駅舎内の展示ポスターの前で、歴史の授業が始まってしまった。他に参加者がほとんどいないので、やむなく聞いているフリをしていたけれど、ぼんやりライトアップでも見てる方がよかったなと思っていたら、徐々に参加者が増えてきたので、安心してkecoさんと弥生時代問題について雑談を始めたら、途中から合流していた吉野ヶ里婦人に「説明聞いているんだから静かにしてくれない?」と一喝されてしまった。すみません・・・
お部屋に戻って、檜の香りのするシャワールーム。車両設計上は、かなり苦労したと思うけれど、カシオペアなどのようにお湯がタイマーで6分とかそういう慌ただしいこともなく、お湯がすぐに出るという優れもの。備え付けのタオルもふかふかの今治タオル。
23時29分鳥栖駅到着。列車はここで3時間近く停車。おやすみなさい。。。
(ふかふかベッドでおやすみなさい)
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