◆パリ:くもり
いよいよ決戦の日の朝。疲れもたまってきているので、目覚ましをかけずに7時すぎまで寝て、朝食会場へ。いきなり、シェフのおじさんがから、「あんたはやせすぎだ、もっとカロリーをつけろ、ベーコンもハムをあるぞ」みたいなことを言われたので、オレンジジュース、ハム、ソーセージ、ベーコン、スクランブルエッグ、ヨーグルト、フルーツ、パン、コーヒーとたっぷりいただき、9時すぎに出発。
まずは、モンマルトルの丘へ。過去2回とも、怪しげな人にしつこくからまれて危険を感じたので、その後は避けていたのだが、ホテルから地下鉄で3駅と近いので、久しぶりに参戦。裏口側にあたる12号線のAbbesse駅は、すでに高台なので、地下鉄のホームと出口の間に100段以上の階段があって、やっとの思いで登りきると、入場口側に出てしまう。どうやら、降りる客は原則としてエレベーターを使うことになっているようで、やってきたエレベーターのドアが両側開くので、反対側へ抜けてなんとか地上へ。ここからさらに長い階段を登って、ようやくサクレ・クール寺院へ。ここからは、パリ市内が一望できるのだけれど、あいにく今回の旅で初めて太陽が姿を隠してしまい眺めは今ひとつ。しかも昨日の夜あたりからすっかり空気が入れ替わってしまい寒い。幸い、怪しい人にからまれることもなく表側の階段を降りて、kecoさんは、3ユーロのマフラーなど購入して、Anvers駅から2号線へ乗車。再び12号線に乗り換えてMadeleine駅へ出て中心部を散策してオペラ座へ。
何十回と前を通って眺めたオペラ座だけれど、実は入場するの初めて。せっかくだからバレエ鑑賞という案もあったけれど、kecoさん曰く、出し物が今いちということで、今回は、内部見学のみに。英語のガイドツアーなら客席に入れるということだったのだけれど、早く着きすぎたので、入場料10ユーロ払って普通に散策する。とにかくエントランスホールから待合室の天井からすべてが豪華絢爛。日本のホールに比べて、ステージと客席以外の部分が広くて、装飾もむしろこちら側に力が入っている感じすらある。ちょっとだけ客席ものぞけるようになっていて、思ったほど広くなく、角度が急なので、これはこれで見やすそう。やっぱり、一度ここで実際にオペラでもバレーでも見てみたいものだ。
当然、グッズショップも充実しているのだけれど、なんとここで客席で使われたと思われる椅子が売っている。ひじかけつきで1460ユーロだから20万ちょっと。考えようによっては高くない。俄然欲しくなってきたが、手続きその他、あまりにも面倒な言葉のやり取りが予想されるので、断念して退場。
さて、競馬場へ行く前に、腹ごしらえを済ませておきたい。もっとも、旅も半ばを過ぎて、お互い、カフェでの食事もだんだん面倒になってきている。となれば、ここは、やはりおなじみのオペララーメンではないかと思い参戦するも日曜だからかお休み。正直、別に美味しくないのだけれど、ここ数回のパリ旅行では必ず参戦していたので大変残念である。仕方がないので、近くのサッポロラーメンさんへ。こちらは、なかなか繁盛していて活気があり、お客さんも日本人というよりは地元客中心。ビアとラーメンと餃子のセット。ここの餃子はまぁ普通で一昨日のお惣菜屋さんの餃子に憤慨していたkecoさんからも合格点がでた。
さぁ、いよいよロンシャンへ。10号線Porte d'Auteuilからシャトルバスはもう慣れたルート。入場料20ユーロを払って入場。もちろん今日だけの特別価格だけど、東京競馬場ならダービーの日でも200円だから考えようによってはずいぶん高い。
まずは、PARIS TURFを購入。一面から日の丸とオルフェーブルだった昨年とは違い、今年は、大混戦ということもあって、フランス応援ムード。あいかわらずあまり充実していないグッズショップでボールペンとプログラムを購入して、スタンドを散策。今にも降り出しそうな天気。どちらかといえば、普段固い馬場で競馬している日本馬にはこのまま降らないでくれた方がよいか?
すでにかなり混雑してきているので、早めに馬券を購入。日本馬3頭の単勝とそれにエクトとトレヴとタグルーダを加えたボックスなど。帯広ばんえい以来の競馬参戦となるkecoさんも無事にハープスターの単勝を購入した模様。
昨年の6000人ほどではないと思うけれど、今年も日本人多数。ただ、昨年は、前年僅差2着のオルフェーブルが前哨戦を勝って万全の態勢ということで、地元でも日本馬悲願達成か?!というムードで、逆に日本の応援団には、今年勝てなきゃもう勝てない、今年は絶対に勝たなければ、という悲壮感に近いものがあったけれど、今年は3頭参戦とはいえ、あくまでチャレンジャーという感じなので、雰囲気はだいぶ落ち着いている。ドバイワールドCを勝って世界ランク1位のジャスタウェイは休み明けと距離がどうか?、3歳牝馬で斤量差を生かせそうなハープスターと、馬場が向きそうな気分屋ゴールドシップは、後方一気の展開がはまるかどうか、それぞれ一長一短あって、タイプもちがうので、大敗の可能性もあるけれど、一発の楽しみもあり、案外、こういうときに悲願が達成されるのではないかと思っていたのだが。。。
いよいよ寒くなってきたけれど、3、40分前からパドックで待機。まぁまぁのポジョションをゲット。いよいよ20頭が登場。ハープスターはこの段階で一瞬1番人気になっていたようだけれど、最終的には3番人気くらいか。横山典、福永、川田の3ジョッキーも登場して、いよいよコースへ。昨年のスミヨンと武豊に比べるとアウェイでの戦いにはいかにも不安のあるメムバーだがここまできたらがむばってもらうしかない。
急いでスタンドに移動して、なんとか見えそうなポジションを確保して、いよいよ発走。ジャスタウェイはどこにいるかわからず、芦毛のゴールドシップはわかりやすくてシンガリで、その前がハープスター。予想通りではあるけれど、このまま後ろから外を回って勝負になるほど甘くない。やはりジョッキーが・・・と思っているうちに早くも直線。ゴールドシップはまったく動かず(14着)。まぁこれは、日本でもけっこうあることだけれど、ロンシャンは合うんじゃないかと思ったんだけどね。。。ジャスタウェイは最後までどこにいるのかよくわからず(8着)、ハープスターは最後追い込んだらしくて6着。ただし気づかなかった。勝ったのはなんとトレヴ。昨年5連勝でオルフェーブルをぶっちぎった後、今年はスランプに陥っていたのだが、見事な復活で快勝。喜ぶジャルネ騎手を見ながら我らは退場。まぁ、もともと絶対勝てるっていうメムバーじゃなかったから、昨年のような虚脱感はないけれど、3頭いれば1頭くらいはまるかなとも思ったのもたしか。だけど、やっぱり甘くないね。あと、やっぱり騎手は外人に頼んで欲しいよねぇ。多頭数のダンゴレースになるからどうしても巧拙が出やすいし。。。
ぐったりだけどまだ早いので、昨年同様、本物の凱旋門を眺めて気持ちを新たにしたところで、シャンゼリゼ通りを散策してルーブルのピラミッドやエッフェル塔も眺めて、再びオペラ座付近へ。日曜なので、本格的なレストランは休みだし、カフェのステーキとポテトも飽きたし・・・ということで、気がつくと日本料理店が林立する界隈へ。このあたりkecoさんとは何度も旅をともにしているので、まぁあうんの呼吸というやつである。それにしてもたくさんの日本料理店が並ぶ中、ラーメンのなりたけさんだけが、大行列でびっくり。多いに気になったけれど、昼間もラーメンなので、さすがに断念して、寿司屋にしてはちょっとおしゃれな作りのAKITAさんに入場する。
メニューは例によってサーモン中心のにぎりとちょっとストレンジな巻物になぜか焼き鳥というありがちなものなのだけれど、予想外に繁盛していて、それも地元パリの女性のおひとり様が枝豆に醤油をつけて食べていたかと思えば、若いカップルで来て、お箸を上手に使って丼物をかきこんだり、にぎりではなく、刺身盛り合わせとご飯という通?な組み合わせをあえてたのんだりと皆様々。気がつけば、店内は満席で、ほとんどが地元客。時々テイクアウトの人もやって来る。日曜日で他の店が休みということもあるのだろうけど、これはびっくりで、きょろきょろ見て申し訳ないけれど、店内を観察しているだけで楽しい。そうこうしているうちに、とうとう舟盛りの舟まで登場していよいよテンションがあがってきた。
カフェだと延々とくつろぐ感じになるけれど、こちらは、お一人様が軽くつまんでさっさと退場するケースも多いので、けっこうお客さんの入れ替わりも早い。安いコースでもデザートだけは欠かさないフランス人も、さすがに寿司の後はデザート食べないのかな?と思っていたら、デザートメニューが差し出されたので、もう少し見学したい気持ちもあって、ついついチョコレートサンデーみたいのを注文してしまったけれど、デザート食べてる人なんて他に誰もいなかった。寿司人気はヘルシー志向ということもあるから、デザート食べたら意味ないのかな。「ジャポネガ、スシノアトニ、アイスクリームタベテタネ」とか「スシヤノナガッチリ、イキジャイネ」なんて思われてないといいけど。
そんなこんなで、旅の最後の晩餐も終わり。今年も日本競馬界の悲願は持ち越し。
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